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ミレー、コロー バルビゾンの巨星たち展
尾道市立美術館、2005年9月10日〜11月13日
10月12日 up
 

 19世紀半ば、パリ南東のフォンテーヌブローの森に接するバルビゾン村には、コロー、ドービニー、ミレーなど、戸外に出て自然の風景を描こうとする画家たちが集まった。この展覧会では、ミレー、コローを中心に、ドービニー、ルソー、クールベ、ブーダンなど31画家の作品が展示されていた。

  風景画でなじみのカミーユ・コローの作品は昔から好きであったが、あらためて、空の青の微妙なトーンや、柔らかい木々の茂みの表現に感動した。。また、風景だけでなく、人物を描いたものにもとても惹かれる作品があった。単色、同系色の濃淡で表現される「カマイユ」という描き方で描かれた「ナポリの若いオレンジ売り」などはとても力強く、すっきりと単純明快な構図がとても気に入ってしばし見入ってしまった。

 ミレーの作品は、有名な、「落ち穂拾い」のエッチング(1855年)や「種をまく人」のリトグラフ(1851年)、その他ガラス版画やパステルといった、油彩画以外の作品がとても良かった。

 クールベの作品もその圧倒的な存在感と迫力があり、優しい雰囲気を醸し出していたその他の画家の作品とは一線を画した緊張感があった。

 その他の画家については、見ていて上手いけど、やはりこの時期の画家として一般的に有名であるといわれる画家の作品の持つ力には及ばないといった感じ。さすがに有名どころといわれる画家はそれだけのことはある、という感じを強く受けた。
  ただ、その中で、アントワーヌ・シャントルイユという画家の「十月の労働を終えた土地、ラ・トゥルネル」という作品には強く惹かれた。夕景を描いた作品であるが、耕された?土地の赤い色と、地平線がとてもきれいで、地平線、水平線好きな私にはたまらない作品であった。

2005年10月12日(水)

 

 

   
ルノワール、ドガ ・・・からの小さな贈り物
ベオグラード国立美術館所蔵 フランス近代絵画展
ひろしま美術館、2005年9月3日〜11月6日
9月12日 up
  セルビア・モンテネグロ(2003年にユーゴスラビアから国名変更)の首都ベオグラード。長年の戦火から守られてきた同館のコレクションの中核をなすフランス近代絵画が中心の展覧会であった。バルビゾン派から印象派、エコール・ド・パリにまで至るフランス近代絵画の流れを見ることができる。
  以下のようなテーマで流れを追って展示されていた。

T 写実の系譜 コローから印象派へ
    モネ、ピサロ、ドガ、カサット、シスレーなど
U ルノアール 身近なものたちへの眼差し
    ルノアール
V 印象主義を超えて 後期印象派と象徴派
    ゴッホ、シニャック、ロートレック、セザンヌ、ゴーギャンなど
W 20世紀絵画の旗手たち フォービズム・キュビズムとエコール・ド・パリ
    マティス、ヴラマンク、デュフィ、ピカソ、ローランサン、ユトリロなど

 モネのシリーズもののひとつ「ルーアン大聖堂/ピンクの大聖堂」や、ピサロの「テアトル・フランセ広場、陽光の効果」などその画家の代表作といえる作品にお目にかかれたり、ドガの「踊り子」のシリーズに通じる習作や素描、ルノアールの習作や線による描画などを目にすることができたりと、なかなかお得感のある展覧会だったように思う。特に、大きな油絵の作品となってしまうとその色彩や色面に気をとられ、つい見落としがちになってしまうが、習作や素描などでは「線」に対する意識がとても強く感じられ、その大切さを再認識させられた。

2005年9月10日(土)

 

   
香月泰男展 平和への祈り 〜その生涯とシベリア・シリーズ〜
ひろしま美術館、2005年7月23日〜8月21日
8月6日 up
  太平洋戦争での自らの応召と、戦後の抑留体験を「シベリア・シリーズ」として作品化した画家として有名。この展覧会でのシベリア・シリーズの作品展示については制作年代順での展示ではなく、以下のように応召から復員までの事実に基づいた時系列で展示されていた。
  A.応召、出征、 B.ハイラル駐屯時代、 C.敗戦、シベリア輸送、 D.セーヤ収容所、 E.チェルノゴルスク収容所、 F.帰路、 G.復員
  また、作品様式の変遷をたどることのできる展示も施されていた。黄土色の下地に木炭などによるマットな黒というシベリア様式が有名でもあるし、この展覧会でもその存在感に圧倒されたが、そこに至るまでの過程ではゴッホ、ゴーギャン、梅原龍三郎などから影響を受けた時期もあったことなどがわかる。
  「反戦」の思想を全面に打ち出した作品ではないが、戦時、終戦直後の「私的体験」として描かれた作品は冷静な感情のもとで描かれており、かえって「戦争」のもつ重さや陰鬱さが伝わってくる。しかしただ重くのしかかってくる絵なのではなく、悲惨で過酷な中でもとぎすまされた感覚のもと常に美しいものに目を向けている様子がうかがえる。シベリア・シリーズを観ていくと確かに重いが、その中にとぎすまされた美しさと潔さのようなものが漂っているように感じる。
  印象に残った作品は「朝陽」「日の出」(太陽の朱が美しかった)、「鋸」(とぎすまされた画家の眼というものを感じられる)、「絵の具箱」、「点呼(左右)」。

2005年7月30日(土)

 

   
和田誠の絵本の仕事
ふくやま美術館、2005年7月16日〜9月25日
8月2日 up

 和田誠は、イラストレーター(「週刊文春」表紙イラストなど)、作家、絵本作家、映画監督などといった幅広い活動をしている。今回観たこの展覧会は絵本を中心に展示されていた。
  イラストレーターとして活躍し始めた20歳代半ば頃からの作品やそれに関わる人とのエピソードなどが紹介されていたが、いっしょに行った、M女史とともに思ったのは「『天才』って早いうちからその片鱗が見えるものなんだな、そしてそんな頃からビッグネーム(谷川俊太郎、星新一など)とのつきあいもできているんだな」ということだった。また、たばこの「ハイライト」のデザインを考えたのも、この和田誠という人だったということ、それもこの若い時期に採用されたものであったということも紹介されており驚かされた。
  展示内容は、絵本「ことばのこばこ」、「旅」、「かいぞくのうた」、「ねこのシジミ(エッチング)」などの原画がおもしろかった。作品自体のおもしろさはもちろんのこと展示方法にも工夫が凝らされておりとても楽しかった。「白黒の原画」、「色指定をしたトレーシングペーパー」、「印刷され仕上がったページ」がセットで展示されている作品や、「ことばのこばこ」や「「旅」の原画展示では特色3色描き分けで色毎に原画を描いてあるものが指定された色とともに展示されており、楽しめた。

 同じ、ふくやま美術館の常設展示室では、「海と空のはなし(特別展:安田コレクション)」が行われていた。中で気に入った作品は「マールの海岸(ベルナール・ビュッフェの鉛筆による作品)」、「裸婦(エミリオ・グレコのペンによる素描)」、「女の顔(アンリ・マティスのリトグラフ)」など。また、横尾忠則の「聖シャンバラ」というシリーズの作品が展示されていたが、印刷物などで目にするよりも、色がきれいで質感にすごい迫力があった。

2005年7月27日(水)

 

   
東山魁夷 全版画の中から 心の旅路展
尾道白樺美術館、2005年8月3日〜10月3日
 
   尾道白樺美術館の本館にあたる清春白樺美術館収蔵作品の中から作品を集めた展示。ほとんどがリトグラフの版画作品で、原画にあたる日本画作品を版画にしたものが展示されていた。原画といえばかなり大きなものもあるはずで、今回の展示では、それらが手頃な大きさのものになって一堂に会した、という感じである。
  「残照(第3回日展出品、特選作品のリト?」、「夕静寂」などが気に入った。特に「夕静寂」の暗い中にある青の持つ色々な表情がすごく印象的だった。また、会場の中のほとんどは、青や青みがかった緑を基調とした作品が多かったため、様々な種類の「青」を見ることができて楽しかった。

2005年7月27日(水)

 

 
ベルナール・カトラン展
尾道白樺美術館、2005年5月18日〜7月18日
 

 尾道白樺美術館で行われていた、ベルナール・カトラン展。情けないことではあるが、久々の美術館であった。実はこのベルナール・カトランという画家は知らなかったのだが、同じ職場の人が行ってみたらとても良かったという感想を述べていたので、行ってみた。
  現代のフランス画壇を代表する画家ベルナール・カトランは、昨年(2004年)4月17日に84歳で亡くなっているが、2001年には尾道も訪れている。

「菊」1996年

 尾道市内を歩き回っているとこの展覧会のチラシやポスターをよく見かけた。ポスターで使われていた作品は「菊」という作品で、黄色、オレンジ、茶色で描かれた鉢?に植えられた菊の絵である。遠目から印刷物で見ると、構成的で平面的で雰囲気だけの作品なのかと思ってしまい、あまり気になる作品ではなかった。しかし実物を見るととても印象的で輝きのある作品で気に入った。オレンジ、黄色など、表面はつやつやしており華やかだけどしっとりとした感じも併せ持っていた。近づいてみてみるとキャンバスの端から、茶色の上に盛られた鮮やかなオレンジが1o近く層を作っていた。やはり実物を観ずに印刷物などを観て判断するのはもったいないことだとあらためて思った。以前観たゴーギャンのオレンジも同じ印象で、印刷物の少し濁った色に比べて、実物のオレンジの輝きに驚いたことを思い出した。

「オレンジの小円卓と椿」2002年

 鮮やかなピンクとオレンジで描かれた作品。想像する目がチカチカする作品のような感じもするが、それがそうでもない。ピンクもオレンジもどぎつさを感じさせないでさわやかな感じさえする。これも印刷物などではきっと濁ってしまうんだろうな。

「床の間」2000年

 乳白色、中間色を主体とした作品。画面のつやとぬめり感がすごく触覚に訴えかけてきていた。つい触りたくなってしまったが、そこはさすがに我慢した。落ち着いた配色の画面の中で花瓶に生けられた花は鮮やかさを保っていてすがすがしい緊張感を感じた。

「瀬戸内海」2001年

 制作年から、来日した折、尾道で描かれたものなのかな。白、ベージュ、グレーを主体としたおとなしい感じの作品。画面のつやも他の作品と比べると少なく、しっとり落ち着きのある感じ。日本の風景を描いた作品だからなのかな。

「ベルナール・カトランのポートレート」

 作品ではないが、画家の肖像写真。手がとても大きく見えた(実際そうなのか、撮影の関係なのかはわからない)のが印象的だった。

2005年6月25日(日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
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